感情と付き合う

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7月に入りました。あっという間に梅雨が明けてしまいましたね。久しぶりに、「感情」をテーマにコラムを書こうと思います。

6月は、自分自身だけでなく、個人セッションをお申し込みくださるお客様やスクールの生徒さんが感情の揺れや体調不良を経験する月でした。また、我が家の9歳児も、いよいよ学校で複雑な人間関係や感情というテーマに真正面から取り組む時期に突入しました。昨年までは泣いてママに相談する、体調不良というかたちで自分の現状を伝えていましたが、ついに自分自身で向き合って、考えて、判断して行動をとる、という過程に入りました。

小さい子供の毎日は、まるで小川に浮かぶ小舟のようです。朝日をいっぱい浴びて、目を覚まし、夜はお母さんという岸辺に寄り添っていたことを確認します。さっきまでよだれ垂らしてスヤスヤ寝ていたのに、目が覚めてお母さんがいないととたんに泣き叫ぶ子もいますよね。「ママはどこ?」と。うちの子も何度か怒りました「何で私の横にいてくれなかったの?」と。いや、さっきまでいたんだけどなぁ。。。。

母親という絶対に自分を護ってくれて、自分と一体化していると信じているものの存在を確認すると、小舟は旅に出ます。ゆらゆらと小さな波から始まります。登校する道やバスや電車の中で揉まれます。川の流れが速くなるのです。大人同士の喧嘩、不機嫌な顔、楽しそうな笑顔や会話など刺激が一杯。だけど、まだまだ自分の世界に入っています。「今日のお弁当何かな?」とか「お母さん、今週末に約束通り映画に連れて行ってくれるかな?」と、お母さんとの繋がりをまだ意識しているかもしれない。

学校につくと、いよいよ大波小波の連続。昨日喧嘩したあの子、どうやらまだ怒っているようだ、どうしよう、と不安に。力の強い子にぶたれたり、たまたまぶつかられて怖い想いをしたり。お弁当の中身を他の子にせがまれて、嫌われたくないから泣く泣く大好きな餃子をあげちゃったり、自分より漢字が得意なあの子に嫉妬してみたり、かけっこでいつもびりの自分を嫌いになったり。

8〜9歳あたりから、お母さんと自分との境界線に気づき、自分の趣味、し好、考え方、感情を優先するようになります。エゴむき出しで友達に怒鳴ってみたり、いじめて関係を破壊しては、寂しくなってまた仲直り。感情の起伏や、人間関係の破壊と再生に小舟は翻弄されます。

しかし、夕方になると、色んな経験を積んで、お母さんという岸を目指してえっちらおっちら上流まで上がってきます。もう、ぐったりで眠い眠い。

お母さんには、小舟が積んできた経験や感情をすべて把握することはできないのだけど、ボロボロに傷つきながらも、翌日は、昨日より一回り大きい小舟が横で目覚める。
さて、何度壊しても再生できる友情や信頼を求めて、子供達は美しく傷つきもがきます。実は大人も毎日これをやっているのです。子供のように他者に体当たりでぶつかることはなかなかできないから、自分の中で悶々と考えを巡らせます。時にはけんかや言い合いになりますが、子供のように、1時間後には仲直り、というのが難しい。智恵やプライドや損得勘定が出てくるからです。「こうあらねばいけない」というプログラミングもたくさんついてます。何よりも、自分自身との信頼関係を作ることが、年を取るごとに難しくなります。

小さい頃は、自分は無敵のヒーローになれると信じていたのに。。。。一晩寝れば昨日のことは忘れて、いまこの瞬間にいれたのに。。。。

娘を見ていて気付いたのは、強い感情に向き合ったあと、彼女は大きく成長しているということです。嫌い、好き、楽しい、つまらない、悔しい、嬉しい。。。。そして何よりも美しいものを見た時の強い感動。

感情的になってはいけない、冷静でありましょう、というような言葉をスピリチュアルな世界ではよく聞きますよね。特にリーディングするときなどは、感情をニュートラルにすることが大切となります。ですが、この強い感情を感じているときこそ、「自分」というものがよくわかる瞬間なのです。人間らしい瞬間なのです。自分が心で何を感じ、何を望んでいるのかを把握できます。

どんな感情であったとしても、それはあなたが今感じていることなのだから、押さえつけず、素直に感じてあげてください。時に、感じ、受け入れることが難しいときもあるかと思います。本当の感情や気持ちに気付くと、人生がガラリと方向転換することがあるからです。無理をすることもありません。今、できる範囲で感じて、その感じている自分を観察してあげてください。

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